将棋における従来のルールでは、陣地を単純に定義してきた。
いわゆる、1〜3段目および7〜9段目までが陣地である、といったルールである。
しかし、このルールは厳密性に欠ける。
実は、戦略ユニットや戦略エリアなどといった概念を用いることで、より厳密に陣地の再定義が可能となる。
以前の記事で、ユニットは大まかに2種類に分けられると書いた。
ノーマル・ユニットとアーティファクト・ユニットの2種類である。
陣地の再定義をする際に重要となってくるのは、この2つのうちアーティファクト・ユニットである。
アーティファクト・ユニットの具体例は、チェスではルーク、将棋では飛車と香車、シャンチーでは車と士(仕)と砲である。
もう少し詳しくゆうと、これらのうちで砲以外は、拠点ユニットであり、砲は機巧ユニットである。
アーティファクト・ユニットにはもう一つタイプがあり、機動ユニットと呼ばれるものであるが、これは従来の古典ゲームで出てくることは少ない。
機動ユニットは、フェアリーチェスの駒で出てくることがある。
機動ユニットの具体例は、自動車や船、電車などの乗り物系が一般的だろう。
これらの駒のうちほとんどは、僕の創作駒である。
前置きが長くなったが、まずは戦略ユニットについて説明していこう。
戦略ユニット
古典ゲームにおいては、勝負において取られると負けになる駒が存在する。チェスならキングであるし、将棋なら王将である。
これらの駒を、コマンダー・リーダー[Commander Leader]と呼ぶことにする。
また、別の言い方では、統率者ユニットとも呼ぶことにする。
多くの場合、この統率者ユニットは、ユニットの分類において、ノーマル・ユニットのJob/Class TypeのRoyal Subtypeが担う場合が多いが、Semiroyal Subtypeが担う場合もある。
具体例を挙げると、Royal Subtypeは、キングやクイーンであり、Semiroyal Subtypeは、貴族や男爵などである。
貴族や男爵といった駒は、従来の古典ゲームでは出てこない駒であるが、創作駒として、とても汎用性が高い優秀な駒たちである。
また、統率者ユニット以外では、アーティファクト・ユニットが戦略ユニットに含まれる。
アーティファクト・ユニットは、以前も書いたとおり3種類に分類される。
拠点ユニットと機巧ユニットと機動ユニットである。
これらは、それぞれ役割が異なる。
家や宮殿や城などは、拠点ユニットであるし、大砲や火砲やミサイルなどは機巧ユニットであるし、自動車やバイクや船などは機動ユニットである。
つまり、戦略ユニットとは、これら3つのアーティファクト(構築物)・ユニットと統率者ユニットを合わせたものとして定義される。
戦略ユニット=統率者ユニット+構築物ユニット
これで、戦略ユニットの説明は終わりである。次に、戦略エリアについて説明しよう。
戦略エリア
戦略エリアとは陣地を厳密に定義した際の呼び方である。
下の図を見て欲しい。

↑この図はチェスにおける戦略エリア(陣地)をわかりやすく記したものである。
一つ一つ説明していこう。

↑まずこの赤で囲われたマス、つまり、ルークの置かれているマスを戦略ゾーン[Strategy Zone]と呼ぶ。

↑次に、戦略ゾーンと隣接するマスを、有効な範囲[Effective Range]と呼ぶ。

↑次に、有効な範囲と隣接するマス、及び、有効な範囲と有効な範囲と繋がっているマスを城内エリア[Inner Castle]と呼ぶ。

↑次に、上記のすべてのエリアを足し合わせたものを、戦略エリア[Strategy Area]と呼ぶ。
この戦略エリアは、陣地と同義である。
戦略エリア=戦略ゾーン+有効な範囲+城内エリア
構築物ユニットにおけるそれぞれの有効な範囲について
構築物ユニットが、拠点ユニットと機巧ユニットと機動ユニットの3タイプに分かれることは以前話した。
ここでは、このそれぞれのタイプで有効な範囲がどう変化するか見ていこう。
拠点ユニットの有効な範囲
拠点ユニットの有効な範囲は、隣接する周囲4マスである。
以下に図を示す。

機巧ユニットの有効な範囲
一方、機巧ユニットの有効な範囲は、隣接する上下のマスである。
以下に図示する。

機動ユニットの有効な範囲
機動ユニットの有効な範囲は、隣接する左右のマスである。
以下に図示する。

以上で見てきたとおりそれぞれ役割が異なっていることがわかると思う。
城内エリアを決めるときの注意点
以下の図を見てほしい。

↑拠点ユニットの有効な範囲が示されている。
この城内エリアは以下のとおりである。

↑◯が城内エリアとなる。この場合、有効な範囲同士が繋がりあっていいないため、隣接するマスのみが城内エリアとなる。
次に、以下の図を見てほしい。

↑この図の城内エリアは以下のとおりとなる。

↑⚫️同士で繋がった範囲が城内エリアとなっていることがわかると思う。
実はこの繋がり方は、縦横斜めならいずれの方向でも繋がるのである。
以下の図を見てほしい。

↑この図では、斜めに有効な範囲が繋がっている。
このときの城内エリアは以下のようになる。

この図のように、城内エリアは斜めに繋がっても良いのである。
将棋とシャンチーの戦略エリア
将棋の戦略エリア
将棋の戦略エリアを以下に示す。

ここで、四隅の菱形のマークの図形は、香車を表している。
また、城のマークは飛車を表している。
将棋においては、香車と飛車が拠点ユニットであり、同時に戦略ユニットである。
シャンチーの戦略エリア
シャンチーの城内エリアを以下に示す。

城のマークが、シャンチーの車であり、縦が短い鍋の蓋のようなマークが士(仕)を表している。
この車と士が拠点ユニットであり、同時に戦略ユニットである。
また、大砲のマークがシャンチーの砲を表しており、これは機巧ユニットであり、戦略ユニットでもある。
まとめ
以上が、戦略エリアについてのゲーム理論である。
この理論を使えば、あらゆる古典ゲームにおいて、厳密に陣地を定義することが可能となる。
また、新しいゲームを作る際にも参考になると思う。

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